タイムラプス動画の作り方2014 Part 2.カメラとレンズを選ぶ

この4年間で、タイムラプスの撮影に様々なカメラを使ってきました。
一般的にセンサーサイズが大きいほど、画像の解像感、高感度でのノイズの抑制、ダイナミックレンジの広さが優位となる傾向がありますが、センサーや画像処理の技術的な改善によりその差は小さくなってきていると感じています。

また、これまでの映像制作の経験からも、
 1.東京や横浜の都市景観を撮影する
 2.解像度をFHD(1920x1080)として動画を作る
という条件であれば、センサーサイズはSONY RX100のような1型でも十分許容範囲で、APS-CのK-5だろうが、フルサイズの5D3だろうが最終的な映像品質に明確な差異が見られません。
例えば、この動画は、SONY RX100,Pentax K-5,Canon 5D3を主に使用して東京の夜景を撮影した素材から制作した映像です。エンドクレジットで各ロケーションで使用したカメラを記載していますが、具体的にどのカットでどのカメラを使用したかを当てられる方はいないと思います。撮影した本人もちょっと怪しいくらいですので...

センサーサイズの違いによる明確な差異がない理由としては、
・映像の解像感
FHDの解像度1920x1080にする際には、編集時にズーム効果をつけたとしても40%前後~80%の縮小率になるため、解像感の差が分かりにくい。
・高感度
センサーサイズが小さければ、パンフォーカスを得るのにそれほど絞らなくてもOK。1型でF4、マイクロフォーサーズでF5.6程度となるため、APS-C、フルサイズと比較して低いISO値となる。東京や横浜の夜景は明るいので、それほど高感度を必要としない。露光時間を長くとることで、低いISO値で撮影可能。
・ダイナミックレンジ
編集時にイコライザーのエフェクトをかけて、シャドーを持ち上げることでダイナミックレンジの不足を補える。RAWやブラケット撮影でHDRとすることでも、ダイナミックレンジの補完が可能。
といった点が上げられます。

もちろん、天の川等のかすかな光を捉えるといった撮影シーンではフルサイズ機が有利で、明るくて開放でもシャープな高価なレンズが必要だと思いますが、自分は撮影経験がないので分かりません。

なお、1型未満の小さなセンサーサイズのカメラについては、1/1.7型のPENTAX Q7、1/2.3型のPENTAX Qやそれ以下のサイズのセンサーを搭載したiPhoneでもそこそこ撮れます。
 
ただし、高感度は厳しく、編集時にエフェクトを加えた場合ノイズが目立ちやすくなり、必ずしも満足な結果は得られませんでした。こういったカメラを新規に購入するより、中古で3万円台になっているCanon Kiss X4のレンズキットを購入してMagicLanternを入れた方が幸せになれます。

さて、どのカメラを選ぶかですが、カメラメーカーの考え方、想定するユーザーの使用用途、開発コストにより、ハードウェアを含めカメラに搭載される機能は異なります。これまで使用経験のあるカメラについて、タイムラプスに関連した機能の搭載状況と特徴等を一覧にしてみましたので参考にしてください。なお、NikonとOlympusは使用経験がありません。
part 1.タイムラプスに必要な機能でも述べたように、機能面ではレリーズ端子を搭載したカメラを選択するのがベストで、レンズを含めた大きさ、重さ等の取り回し易さ、価格面を考慮するとPENTAX、CanonのAPS-C機あたりを選択するのが無難です。今後、4K UHD(3840x2160)の映像制作を予定している方は、20MP以上の高画素機をお勧めします。

ちなみに、現時点の自分のお勧めはPanasonicのGH3で、昨年(2013年)の撮影の約9割はGH3で行いました。

 GH3の特徴として、
1.シャッタースピード1秒が上限という制約があるものの、電子シャッターでシャッターユニットの劣化を抑制できる。
2.バッテリーの持ちがよく、念のため予備を1本持てば一日安心できる十分なスタミナ。
3.付属ソフトのPHOTOfunSTUDIOが、インターバル撮影と連写した画像を読み込んだときにフォルダー毎にまとめてくれる。
4.インターバルタイマ内蔵、レリーズ端子あり。
5.マイクロフォーサーズとしては大きめだが、レンズを含めた重さ、サイズともに5D3の約半分で、持ち歩きなど移動時の負担が減る。
5D3は約1900g、GH3は約890g
といった点があげられます。特に、1と3については他のメーカーにない優位点です。ついでに動画もきれいに撮れます。

なお、タイムラプス用途としてSONYはお勧めしません。NEX系はNEX-3N以降でレリーズ端子を搭載するようになってきましたが、独自仕様で既存のインターバルタイマを流用できません。また、バッテリーのスタミナも不足しています。タイムラプスアプリの出来もいまいちでした。バージョンアップにより露出の追従ができるようになったようなので、いずれ試そうとは思いますが、自分が使っているNEX-6はチルトシフト専用機になりつつあります。



レンズは、35mm換算で24mmを基準に、単焦点か広角ズームのレンズを購入しています。
開放F値が小さいレンズほど価格が高くなる傾向がありますが、基本的に絞ってパンフォーカスにしての撮影ですのでF4程度で十分です。
ジャンクションのように大きな建造物だと撮影場所が限定され、かなり広角でないと収めきれないことがあります。センサーサイズが小さいマイクロフォーサーズは広角が不利と言われますが、Panasonicの7-14mm(35mm換算で14-28mm)やSAMYANG7.5mmの対角180度の魚眼レンズがあるため、何とかなります。


以下が、各カメラで主に使用しているレンズです。自分のレベルで高価なレンズの購入は無駄と理解しているので、レンズ一本あたりの購入費用は10万円を上限と考えています。
Panasonic GH3
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
PENTAX K-3
smc PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited
(HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limitedの発売に伴い販売終了)
PENTAX K-3
PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5ED
SONY NEX-6
 SONY E 10-18mm F4 OSS SEL1018
Canon EOS 5D Mark III
 Tamron SP AF 17-35mm F/2.8-4 Di LD Aspherical [IF] (Model A05)
(生産中止)

コメント